層 | 主な内容 | よくあるつまずき例 |
① 苦手意識可視化 | どの単元・どんな問題形式が苦手かを言葉で整理して見えるようにする | 「なんとなくニガテ」と思っているだけで手をつけられない |
② 単元分解理解 | 苦手な教科を単元ごとに細かく分けて、1つずつ理解し直す | 全体を見てあきらめる/何から始めればいいかわからない |
③ 基本操作反復 | 計算・文法・語句などの「苦手なパターン」を何度もやって覚え直す | 応用問題ばかりでつまずく/基礎があいまいなまま練習をしてしまう |
④ 誤答パターン整理 | よくあるミスや読み違い、自分がひっかかりやすいポイントを分析 | 答えだけ覚えて復習してしまう/同じようなミスを何度もくり返す |
⑤ 部分得点戦略 | 全部ではなく「この問題は取れる!」という部分にしぼって得点する | 苦手教科はまるごとあきらめる/白紙で出してしまうくせがつく |
⑥ 弱点克服 | 苦手だった内容がどれだけできるようになったかを比べて確認 | 進歩が見えなくて不安/がんばっても手ごたえを感じられない |
① 苦手意識可視化
「この教科、なんとなく苦手なんだよな…」という感覚のまま、避け続けていませんか? でも、実は「なんとなく苦手」というのが一番やっかい。なぜかというと、原因がわからないから対策も立てられず、勉強しても自信がつかないままになるからです。この層では、まず「なぜ自分はその教科が苦手なのか」を言葉で説明できるようにする力を育てます。たとえば、「英語は並びかえ問題が苦手」「数学は分数の計算になるとミスが増える」「理科は用語は覚えてるけど応用問題になると混乱する」といったように、自分の苦手ポイントを具体的にすることで、「ここだけを直せばよくなるかも」と思えるようになります。先生や保護者に相談するときも、「どこが苦手か」を説明できると、アドバイスも具体的になります。「なんとなくニガテ」を卒業して、「自分の苦手はココ」とはっきり言えるようになることが、苦手克服のスタートです。
② 単元分解理解
苦手な教科があると、問題集や教科書を見ただけで「ムリ…」と思ってしまうことはありませんか? でも、苦手な教科ほど「まるごと全部やろう」とすると、気持ちが重くなり、やる気が出なくなってしまいます。この層では、苦手教科を単元ごとに小さく分けて、1つずつ理解し直す力を身につけます。たとえば、理科の電流が苦手なら、「オームの法則」「電力量」「並列と直列」などに細かく分けて、「今日はこれだけやる」と決めて取り組めば、少しずつ前進できます。「1冊全部やろう」と思うとしんどいけど、「1ページだけならできるかも」と思えば、スタートが切れます。やりたくない気持ちを減らすには、“小さく始める”ことがコツです。苦手は、気合ではなく工夫で攻略できます。「全部できない」ではなく「1つずつ片づければ、全部できるようになる」。それがこの層の考え方です。
③ 基本操作反復
苦手な教科でミスが多い人の中には、「応用問題でいきなりつまずく」タイプが多くいます。でも、実はその多くが、「基本の型」があいまいなまま応用に進んでしまっているケースです。この層では、自分がつまずいている“基本パターン”をしっかり身につけ直す力を育てていきます。たとえば、数学で文章題が苦手な人の多くは、実は「計算の順序」や「分配法則」などの基本があいまいなままになっていたりします。英語で文法ミスが多い人は、「主語・動詞の順番」や「3単現のs」などの基本ルールをおろそかにしていることが多いです。この層では、「ここまで戻っていいのかな…」という遠慮は不要。むしろ、原点まで戻ってやり直すことで、自分の中に“自信のある型”ができ、応用にも対応できるようになります。土台をしっかり作れば、どんな問題にも動じなくなります。「苦手克服=応用練習」ではなく、「基本の再習得」が本当の第一歩です。
④ 誤答パターン整理
何度も同じようなところで間違えてしまう…という人は多いです。でも、そこに気づいていないと、「またダメだった」で終わってしまい、くり返すだけになってしまいます。この層では、自分のミスの“くせ”を分析して、同じ落とし穴に引っかからないようにする力を育てていきます。たとえば、「計算ミスはほとんど符号の見落とし」「理科の用語問題は、漢字の書き間違いが多い」「選択問題では“逆の選択肢”に引っかかりやすい」など、人それぞれのミスパターンには特徴があります。この力を伸ばすには、解き直しをするときに「どこを間違えたか」「なぜそうなったか」をノートにまとめておくのが効果的です。自分のくせに気づけるようになると、「ここは注意が必要」と事前に意識できるようになります。点数が上がる人は、ミスの数が少ない人ではなく、「同じミスをくり返さない人」です。まちがえ方を味方につければ、苦手は確実に減っていきます。
⑤ 部分得点戦略
「この教科苦手だから、もう全部ムリ…」と、あきらめてテストで白紙にしていませんか? 実は、苦手な教科でも“取れる問題だけにしぼって”勉強すれば、ちゃんと得点できるんです。この層では、「この問題は取れる」「ここだけはやっておく」といった、得点できる範囲にしぼった戦略を立てる力を育てます。たとえば、社会が苦手でも、「用語の意味だけはしっかり押さえる」「記述はムリでも選択肢は全部解ける」など、自分にとって“勝てるパターン”をつくることができます。すべて完ぺきにしなくても、テストでは「部分点」が取れれば十分です。この力を育てるには、過去のテストを見て「どこで点が取れているか」「どこを落としているか」をチェックして、次回のテストに活かすことが大切です。苦手な教科でも、“戦い方”を知っていれば点は取れます。「全部じゃなくて、取れるところだけ」でいい。この割り切りが、苦手克服の近道になります。
⑥ 弱点克服
苦手な教科を勉強していても、「ちょっとはできるようになってきたかも」という実感がないと、やる気が続かないものです。この層では、苦手な範囲が「できなかった→できるようになった」に変化していることを自分で実感できる力を育てます。たとえば、最初はまったくわからなかった数学の関数の問題が、3問中2問は正解できるようになった。英語の文法問題で、1つだけミスしたけど前より減った。そんな“小さな変化”に気づけると、「やれば変わるんだ」という気持ちになれます。そのためには、最初に「今できない問題リスト」を作っておいて、あとで見直したときに「これ、もう解けるじゃん!」と自分でわかるようにするのがポイントです。苦手を克服するには、まず“前と比べてどう変わったか”を見えるようにすることが大切。人にほめられるより、自分で「できるようになった」と思えることが、一番の自信になります。