「学ぶ準備を整える」
定期テストに向けた勉強を始めるとき、「どこから手をつければいいのか、よくわからない」状態では、なかなか勉強は進みません。この段階では、テストで出される範囲と、やるべき内容をきちんと整理して、学びのスタート地点を固めていきます。たとえば、学校から配られるテスト範囲表は、ただ見るだけでなく、・教科書のどこからどこまで・ワークのどのページ・ノートやプリントのどの部分を、自分の手で書き出して、目に見える形にまとめます。また、・国語なら「教科書本文+文法プリント」・数学なら「章末問題を中心に」といったように、教科ごとに何を使って勉強するかを整理しておくと、勉強の流れがぐっとスムーズになります。範囲がはっきりすると、「今日はここまでやろう」と目標が立てやすくなり、手が止まらずに勉強を進められるようになります。やることが見えると、心にも少しゆとりが生まれ、落ち着いて勉強に向き合えるようになります。勉強は、やるべきことがはっきりしていればしているほど、着実に力を伸ばしていけるものなのです。英語も社会も、数学も理科も、すべて同じやり方で勉強していないでしょうか。この段階では、教科ごとの特徴をしっかり理解して、それぞれに合った学び方に静かに切りかえていきます。たとえば、・英語は、文法をしっかり身につけて、英作文にも生かせるようにすることが大事です。・国語は、漢字を覚えるだけでなく、文章の流れや大事な話の筋を正しくつかむことが求められます。・理科は、ただ暗記するだけでは足りず、計算問題に応用したり、グラフや表を読んだりする力も必要です。・社会は、歴史や地理をバラバラに覚えるだけではなく、出来事の流れや資料の読み取りを一緒に考える力が問われます。これらの違いを知らずに、すべて同じように「ノートを読むだけ」「暗記するだけ」で進めてしまうと、なかなか点数につながりません。この段階ではまず、教科ごとの出題の特徴や、よく出るパターンを整理して、それぞれに合った対策を考える習慣を身につけます。教科の特徴に合わせた学び方ができるようになると、勉強はぐっと効率的になり、自然と点数も安定して伸びていきます。
「力を積み重ねる」
授業をまじめに聞き、教科書もきちんと読んでいるのに、テストになると「なかなか点数につながらない」と感じたことはないでしょうか。この段階では、テストでよく出る問題の型やテーマをあらかじめ整理して、落ち着いて見通しを持って学べる力を育てていきます。たとえば、・英語では並びかえ問題、・数学では証明問題、・理科では実験の考察問題、・社会では資料を読み取る問題など、毎回よく似たパターンで出題される領域がいくつもあります。これらに対応するには、ただ教科書を暗記するだけでは十分ではありません。もし「ワークをうつすだけ」の勉強になってしまうと、出題形式が少し変わっただけでも、急に手が止まってしまいます。この段階では、・ワークの中でも「テストに出やすい問題」を意識して選んで解くこと、・問題の形が変わっても、同じ考え方で対応できるように練習すること、を大事にしていきます。テストに出る問題の型をあらかじめつかんでおくことで、本番であわてず、着実に得点できる力が整っていきます。「何がよく問われるのかを知ること」は、「どう準備すればいいかを考えるカギ」です。学びを、より戦略的に、より安定したものへと高めるための、大事な一歩となります。テスト前になると、「全部を一気にやらないと!」と焦ってしまい、かえって学習がうまく進まないことはありませんか。この段階では、まず得点につながりやすいところから準備していくことで、落ち着いた学びのリズムを作っていきます。たとえば、・理科の語句問題・英語の単語・文法・社会の基本用語といった部分は、配点が高く、確実に点数を積み上げられる大事な場所です。ここを早めに仕上げておくことで、まず“安心できる得点ライン”を確保でき、心にゆとりを持って次の学習に進めるようになります。一方で、記述問題や応用問題などにいきなり取りかかると、基礎問題の対策が手薄になり、せっかく取れるはずの点を失ってしまうリスクも高まります。この段階では、「全部を一度にやろう」とするのではなく、「得点できるところから着実に積み上げる」という戦略を身につけていきます。もちろん、最終的には全範囲をしっかり仕上げていきますが、まずは「どこから始めるか」をはっきりさせることが、落ち着いて成果を引き寄せるための大事な力となります。得点設計ができる生徒は、焦らず、確実に学びを進めることができるのです。
「仕上げを確かにする」
「今回は早めにやろう」と思っても、気がつけばテスト直前にバタバタしてしまった——そんな経験、誰にでもあるかもしれません。この段階では、「いつ・どの順で・どのくらい進めるか」をあらかじめ整理し、落ち着いて学びを進める力を育てていきます。まず大切なのは、・テスト範囲をしっかり見渡すこと・教科ごとに、どれくらい時間がかかりそうかを大まかに見積もることです。そのうえで、「1日目は英語の文法まとめ」「2日目は理科の語句確認」といったように、大まかな流れを組んでいきます。ここで大事なのは、「完璧な計画を作ろう」としないことです。思い通りに進まない日があってもいいように、少し余裕を持たせたスケジュールにしておくと、慌てずに調整できるようになります。思いつきで学ぶと、後半になってやることがたまってしまい、心も急かされがちです。一方で、設計された学び方は、自然に集中できるリズムを生み、心にも静かな自信が宿ります。テスト勉強で本当に差がつくのは、「スタートダッシュの勢い」ではなく、「日々の進め方」と「準備の仕方」です。自分で学びの流れを準備できるようになれば、確実に成果がついてくるようになります。「ちゃんと勉強したのに、同じミスをまたしてしまった……」そんな経験は、多くの人が一度はあるはずです。この段階では、本番でミスしそうなところを前もって見つけ出し、対策をしておく力を育てていきます。たとえば、・国語なら、漢字の止め・はね・送りがな・英語なら、三単現のsの付け忘れ・数学なら、符号(マイナス)の間違い・理科・社会なら、資料のひっかけ問題こうした「わかっているのに、うっかりミスしやすい場所」は、誰にでも心当たりがあるものです。この段階では、自分がミスしやすいポイントをリストにまとめ、試験前にサッと見直せるように「注意リスト」や「確認ノート」を作る習慣を身につけます。直前に見返すだけでも、落ち着いて本番に臨むことができ、いらない失点を大きく減らすことができます。また、・設問で「選びなさい」と書かれているのに、「選ばないもの」を探してしまうといった読み違いも、リストにまとめておくことで防げるようになります。テスト勉強というと、「新しいことを覚える」ことに目が行きがちですが、「ミスを未然に防ぐ」という工夫こそ、本当はとても大切です。ミスを減らす力がつくと、今持っている実力を、しっかり得点に結びつけることができるようになります。