「学びの姿勢を育てる」
内申点が思ったより伸びないとき、多くの生徒に共通しているのは、「授業中の自分の姿勢」への意識が少し弱いことです。学校の先生がまず見ているのは、テストの点数や提出物ではなく、「授業中にどんなふうに向き合っているか」です。この段階では、板書の写し方、発言のしかた、メモの取り方や質問のしかたなど、先生に「この生徒はよく授業に取り組んでいるな」と自然に伝わる行動を、一つずつ練習していきます。たとえば、・先生の顔を見ながら話を聞く・積極的に手を挙げて発言する・要点を意識してノートを取るといった小さな積み重ねが、「関心・意欲・態度」として評価され、内申点に反映されていきます。多くの生徒は、「ただ静かに聞いていればいい」と思ってしまいがちですが、それだけでは十分に伝わりません。保護者の皆様からも、「テストの点は悪くないのに内申が低い」というお話を伺うことがありますが、実はこうした授業中の積極的な姿勢が見えにくいことが原因になっている場合が多くあります。この段階では、“ただ聞いている”から、“学んでいることが伝わる”態度へと、授業の受け方を自然に変えていきます。内申点を安定させるための、静かで大事な土台づくりとなります。内申点を上げるためには、提出物の出し方にも気を配ることが大切です。「ちゃんと出しているのに評価が上がらない」と思うことがあっても、先生が見ているのは単に「出したかどうか」だけではありません。提出されたものの中身、出すタイミング、字の丁寧さや学びへの向き合い方まで、細かく見られています。この段階では、ワーク・プリント・ノートなどを、見た目も中身も丁寧に仕上げる練習をしていきます。たとえば、・正解を書くだけでなく、間違えた問題に印をつけてやり直す・わからなかったところに一言メモを加える・提出期限をきちんと守るといった小さな積み重ねが、「この生徒は真剣に学んでいるな」と先生に伝わる力になります。また、少しの遅れや抜けがあっても、それが意外と強く印象に残り、評価に響いてしまうことがあるので注意が必要です。保護者の皆様にとっても、「提出さえしていれば安心」ではなく、「どんな提出物を出しているか」が大きな意味を持つことに気づくきっかけになります。この段階では、ただ提出するだけではなく、「自分の学びが自然に伝わる提出物」を目指して、少しずつ習慣をつけていきます。
「日々の力を積み上げる」
内申点を上げるためには、大きな定期テストだけでなく、授業中に行われる小テストもとても大切な意味を持っています。けれど、多くの生徒は小テストを「授業の一部」として軽く考えがちです。実際には、先生方はこうした小さなテストを通して、「日頃どれだけ努力しているか」を静かに見ています。この段階では、英単語・漢字・計算・理社語句などの確認テストで、しっかり点を取れるようにする力を少しずつ育てていきます。たとえば、・毎週の漢字テストで安定して高得点を取れていると、「コツコツ努力できる子」として先生に良い印象を持たれます。・一方で、理社の語句テストでミスが続くと、「細かいところまで気を配れていないかもしれない」という見え方につながることもあります。小テストは「準備をすれば取れる」内容が多いため、うまくいかないと、「日々の積み重ねが足りない」と判断されやすくなります。保護者の皆様にとっても、「定期テストは取れているのに、なぜ内申が上がらないのか」という疑問に対して、小テストの影響を知っていただくことで、学びへの向き合い方をより深くご理解いただけます。この段階では、毎週の小さな積み重ねを大切にし、日常努力を形にして伝える力を育てていきます。そして、内申点にしっかり反映される流れを築いていきます。定期テストでの得点は、内申点に直接つながるとても大切なポイントです。ただ「平均点より上を目指す」というだけでは足りず、「どの問題で確実に点を取るか」「どこに一番力をかけるか」を考えた作戦づくりが必要になります。この段階では、各教科のテストの作り方や配点の特徴をよく見たうえで、・点を取りやすい問題を重点的に練習する・ミスしやすい問題に事前に備えるといった準備を進めていきます。たとえば英語では、リスニングをただ苦手とするのではなく、・記号問題でしっかり得点する・英作文では型を押さえて落ち着いて書くという形で、確実に点を積み上げる道筋を作っていきます。数学では、証明問題や文章題で「部分点をきちんと拾う」意識を持ち、総合得点を少しずつ押し上げていきます。保護者の皆様にとっても、「家では頑張っていたのに、思ったより点が取れなかった」というご経験があるかもしれません。それは多くの場合、学び方の問題ではなく、「テスト本番での戦い方」にズレがあったためです。この段階の練習を通じて、お子様は定期テストに対して落ち着いて作戦を立てられるようになり、自然と安定して点を取る流れができていきます。それがそのまま、内申点アップへとつながっていきます。
「成長をふり返り、高める」
最近の通知表では、「知識・技能」だけでなく、「考え方・表現力」「主体的に学ぼうとする態度」など、いろいろな視点から評価されるようになっています。これまで以上に、テストの点だけではなく、日々の学び方や取り組み方が大切になってきました。この段階では、こうした新しい評価の流れに合わせて、毎日の授業での行動や提出物の工夫を進めていきます。たとえば理科では、実験レポートにただ結果を書くのではなく、「自分の考えを少し付け加える」ことで、考える力が評価されるようになります。国語では、作文で推敲(書き直し)のあとが見えると、「表現を工夫した」として高く評価されます。また社会では、授業中に自分で調べたことを発表しようとする姿勢が、「主体的な学び」として認められます。こうした取り組みは、ただマネをするだけではできません。「何が求められているか」を自分で理解し、それに合わせた行動をとる力が求められます。保護者の皆様にとっても、「テストの点は良いのに通知表が思ったほど伸びなかった」という経験があるかもしれません。その背景には、この観点別評価への意識が少し足りていなかったことがあると考えられます。この段階の取り組みを通じて、お子様は「ただ知識を覚えるだけでなく、学びそのものを見られている」という意識を持ち、日々の学び方を自然に、そして確実に高めていくことができるようになります。内申点をしっかり伸ばすためには、勉強の力ややる気だけでなく、毎日の行動を安定させる力もとても大切です。テストの点数や提出物が良くても、・忘れ物が多い・提出物がギリギリになりがち・プリントをなくしてしまうといった小さな行動の乱れがあると、先生からの評価にじわじわと影響が出てしまうことがあります。この段階では、学習の予定、提出物、持ち物、小テストの準備などを、自分でしっかり管理できるようサポートしていきます。たとえば、・提出物をチェックする表をつける・「やることメモ」を使って、やるべきことを見えるようにする・テストまでの日数を逆算して、計画を立てるといった工夫を取り入れていきます。さらに、「1週間先を見通して、どんな準備が必要かを考える」という、少し先の予定まで意識できるようになることも目指します。保護者の皆様にとっても、「うちの子は頑張っているように見えるのに、なぜか内申が伸びない」というご心配の背景には、こうした行動管理の部分がまだ整っていないことが関係している場合があります。この段階をしっかり育てることで、生徒は「勉強だけでなく、毎日の行動そのものが評価される」という意識を自然に持つようになり、内申点も安定していきます。派手な変化ではありませんが、内申をしっかり支える大切な力となる段階です。