共通入試校受験思考力

「読み取る力を育てる」

共通入試では、資料や文章をもとに考えて答える問題がだんだん増えてきています。けれども、思ったように点数が取れない生徒の多くは、「読めていない」というより、「意味をしっかりつかめないまま問題に進んでしまっている」という状態に陥っていることが多いのです。この段階では、問題を解き始める前に必要な力──つまり、語彙の意味、文の構成、文章の背景にあるテーマ──を、きちんと整理することを目指します。たとえば、国語や英語の長文で、「具体的な話」と「抽象的な話」の違いがうまくつかめない。理科や社会で、「グラフに何が表れているのか」がつかめない。「用語の意味があやふや」ということが起きるのは、問題を解く以前の読み取り準備がまだ整っていないからです。保護者の皆様にとっても、「読んではいるのに、なぜ答えられないのだろう」というご不安を感じることがあるかもしれません。それは、「読んでいない」のではなく、「読むための準備」がまだ整いきっていないからかもしれないのです。この段階では、・大事な語彙の意味を確認する・グラフや表の読み取り方を練習する・環境問題や多様性など、背景にあるテーマに触れてみるといった取り組みを積み重ねていきます。思考力とは、「読む→考える→答える」という流れの中で育まれるものです。その最初の「読む」が本当にできていなければ、次の「考える」には進めません。この段階は、入試で求められる高度な思考力を育てるための、大切な“入り口づくり”となる段階です。素材の内容がなんとなく分かっただけでは、思考型問題で正しい答えにたどり着くことはできません。本当に必要なのは、「何が大事で、どう話がつながっているか」を見抜く力です。この段階では、文章や資料にかくれている「論理の流れ」を、しっかりと読み取る練習をしていきます。たとえば、国語や英語の評論文では、「問題提起→理由→具体例→結論」という順番で話が進んでいることを、見つけられるようにします。理科・社会でも、「何が原因で、何が変わったのか」「どんなものを比べているのか」といった、考える道すじを丁寧に読み取る力が必要になります。ですが、実際には多くの生徒が、文章をただ目で追っているだけで、段落ごとの意味を深くつかめていないことが多いのが現実です。この段階では、・どこに筆者の主張があるかを探す・接続語(たとえば「しかし」「だから」など)を手がかりに話の流れをつかむ・グラフや表から大事な情報を正しく抜き出すといった視点をはっきり持って、情報を頭の中で整理しながら読む訓練を重ねていきます。保護者の皆様にとっても、「本文は読めているはずなのに答えがずれてしまう」というご不安に対して、この段階が「読む力をさらに深くするために必要な訓練である」という手がかりとなります。この段階をしっかり積み上げることで、「どのように読めば情報がきちんと頭に残るのか」「論理的に読み取るとはどういうことなのか」が、自然と目に見える形になっていきます。思考力を支えるのは、ただ「読む」ことではなく、「大事な土台を正しくつかむこと」である──。生徒たちがそれを実感できる大切な段階です。

「考えをまとめる力を広げる」

入試で思ったように点が伸びない理由のひとつに、「問いに正しく答えられていない」という小さなずれがあります。文章や資料の内容が分かっていても、問いの条件や意図をきちんと読み取れていなければ、正しい答えにはたどり着けません。この段階では、設問文そのものを「読む対象」と考え、「何を、どのように答えるか」をしっかり見抜く力を育てていきます。たとえば、「〜について、あなたの考えを理由とともに述べなさい」という設問では、・どんな条件が出されているか・いくつのことを答えなければいけないか・指示語(それ、これなど)が何を指しているか・問いの終わり方(述べなさい/説明しなさい など)──といった細かい部分を、しっかり読み取る必要があります。この段階では、・設問の中で大事な言葉に印をつける・「何を、どの順番で答えるべきか」を整理する──こうした練習を、少しずつ丁寧に重ねていきます。また、選択問題に対しても、・設問の視点と選択肢が合っているかを確かめる力・選択肢にまぎれたひっかけ表現を見抜く力──を育てていきます。保護者の皆様にとっても、「書いてはいるのに点が入らない」というお悩みの裏に、「問いの読み方が少しずれている」という原因があったことに気づいていただける段階となります。この段階をしっかり準備することで、生徒は「問われたことに、正しく、順序立てて答える」という基本を自然に身につけ、思考の力をきちんと得点へつなげることができるようになります。問いの意図を正しくつかめても、考えたことを順序立てずに書いてしまうと、思いだけが先走ってしまい、得点には結びつきません。この段階では、「どう考えを順番に整理し、伝えるか」を、練習していきます。たとえば、理科では「結果 → 理由 → 結論」という流れでまとめること、社会では「事実 → 背景 → 影響」という順番で説明すること、国語や英語では「問いに答える → その理由を述べる → まとめる」という型をしっかり身につけます。この段階では、・考えたことを順番に整理する練習・「まず理由、それから具体例」というように型に沿って書く練習──を少しずつ積み重ね、考えをわかりやすくまとめる力を育てていきます。保護者の皆様にとって、「考えはあるのに、答えがまとまらない」というご心配の背景には、この「順番を意識してまとめる力」の育成がまだ十分でないことが隠れています。ですが、この段階をしっかり育てることで、子どもたちの答案は「わかりやすい、読みやすい」ものに確実に変わっていきます。考えをきちんと伝えるためには、「思ったことを順番に、筋道立てて書く」──この大切な技術を、ここで丁寧に身につけていきます。

「伝える力を磨く」

考えを順番にまとめる力がついてきたとしても、それを「読む人にきちんと伝わる形」で書けなければ、得点には結びつきません。この段階では、記述答案を仕上げるための基本的な書き方を、丁寧に準備していきます。たとえば、・理由を書くときは「〜だから」で結ぶ・例を出すときは「たとえば」でつなぐ・主語と述語をそろえて、文の流れを自然にする・長い文は途中で区切り、読みやすくする──こうした基本の積み重ねが、答案のわかりやすさを大きく変えていきます。また、書いた文章を自分で声に出して読んでみる練習を重ね、・読みにくいところ・話が飛んでしまうところを自分で気づき、直していく力を育てていきます。保護者の皆様にとっても、「書いているのに伝わらない」「どこで減点されているのかわからない」というご不安に対して、「伝わる形に整える力が、まだ育ちきっていないから」という納得感のあるご説明ができる段階となります。この段階は、答案づくりを「書く」から「伝える」へと進化させる仕上げの時期であり、高校進学後の論述・作文・小論文にもつながる、大切な土台となっていきます。いくら考える力や書く力を身につけても、「書いたら終わり」という気持ちでは、点数を安定させることはできません。この最後の段階では、模試や授業で書いた記述答案をふりかえり、「どこがずれていたか」「なぜ伝わらなかったか」を自分で見つけ、直す力を育てていきます。具体的には、・設問の読み違い・理由づけが足りない・表現があいまい・文の組み立てミスなどを一つずつ整理し、自分の弱点をはっきり見える形にします。そして、「どう直せばよかったか」を考えながらもう一度書き直すことで、ただの反省ではなく、「次につながる力」を確実に身につけていきます。この学習を通じて、生徒は「なんとなく間違えた」ではなく、「ここをこう直せばもっとよくなる」と自分の言葉で言えるようになっていきます。保護者の皆様にとっても、「また同じミスをするのでは」「反省しても行動が変わらないのでは」という不安が、確かな成長への実感に変わっていく段階となります。この力が身につくと、生徒はもう「誰かに直される」のではなく、「自分で自分を高めていく」存在になります。入試だけではなく、その先の学びや人生においても、確かに伸び続ける力を手に入れる──それがこの段階で目指す到達点です。

 

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