共通入試校受験対策 共通入試校について

「土台を整える」

共通入試校(都立共通問題校や私立上位中堅校)を目指すとき、まず大切なのは、「試験の形と特徴を正しく知ること」です。この基本があいまいなままだと、「頑張っているのに点が伸びない」「何を優先して勉強すればいいのか分からない」といったズレが生まれやすくなります。この段階では、共通入試の問題構成──試験時間、問題の数、記述と選択肢の割合、配点の傾向──などを、生徒と保護者の皆様にきちんと共有し、学びの見通しを準備していきます。たとえば、「理科・社会では記述よりも選択肢のスピード勝負になること」「英語では長文読解のあとに英作文があること」など、具体的な出題傾向を知ることで、どこに力を入れるべきかが自然に見えてきます。保護者の皆様にとっても、「まず試験の全体像を知ることができる」という安心感が、学習を“ただ続けるだけ”ではなく、“意味のある努力”に変えていく支えになります。実際、成績がなかなか上がらないケースでは、「出題形式に合った勉強が足りていない」ことがよく見られます。この段階をしっかり準備することが、これからの学びを正しく進めるための、大切な第一歩となります。共通入試では、教科書レベルの基本的な知識をもとにした問題が多く出題されます。けれども、ただ覚えているだけでは十分ではなく、知っていることをどう使うか」が試されます。この段階では、英単語や数学の公式、理科・社会の重要語句といった基本を、「覚えただけ」にとどめず、「問題の中で使える知識」へとしっかり育てていきます。たとえば社会では、「平安京=794年」と覚えるだけでなく、その前後の流れや時代背景を結びつけて理解することで、選択肢の細かな違いにも対応できる力をつけます。英語では、単語をただ暗記するのではなく、熟語や文の中での使われ方まで例文を通して学び、長文を読むときにも自然と意味を推測できるようにします。数学では、公式を覚えるだけで終わらず、「どんなときにその公式を使うのか」まで考えながら練習し、応用問題にも対応できる柔らかな力を育てます。保護者の皆様にとっても、「覚えているはずなのに間違える」という場面に心当たりがあるかもしれません。それは、知識が表面的なままで、場面に合わせて使う力がまだ育っていないためです。この段階では、「覚える」だけでなく、「どう使うか」までを見すえながら、理解をしっかり得点へつなげる力を確実に育んでいきます。

「力を形にする」

共通入試では、毎年出される問題の多くが「ある程度決まった形」で出題されています。この段階では、そうしたよく出る問題に対応できるように、基本の解き方(=解き方の型)を身につけていきます。たとえば理科では、「表を読む → 法則にあてはめる → 数値を代入する」という流れ、社会では、「資料AとBを比べる → 同じところ・違うところを言葉にする → 正しい選択肢を選ぶ」という順番が基本になります。英語でも、穴埋め問題では、「前後の文の流れを確認する → 選択肢を品詞ごとに整理する → 文の意味と合うか比べる」というやり方が効果的です。このような型が身についていると、初めて見る問題でもあわてず、落ち着いて対応できるようになります。逆に、型を持たないまま試験にのぞむと、「また同じようなミスをしてしまう」「選択肢を迷いすぎて時間が足りなくなる」といったことが起こりやすくなります。保護者の皆様にとっても、「どうして同じようなミスを何度もするのか」というご心配に対して、「解き方の型をそろえることが必要です」としっかりお伝えできる段階です。この段階では、「どこが間違ったか」だけを見るのではなく、「どう解けばよかったのか」を一つひとつ丁寧に体に覚え込ませていきます。確かに、安定した考え方の土台を作るための大切なステージです。共通入試では、どの教科も「問題の多さ」と「時間の短さ」が特徴になっています。たとえ理解や知識が十分にあっても、「時間が足りずに最後まで解けなかった」「あせってミスしてしまった」という場面が少なくありません。この段階では、ただ知識を確認するだけではなく、スピードと順番を意識して問題を解く練習を重ね、「解けるのに点が取れない」というもどかしさをなくしていきます。たとえば英語や国語では、・「先に設問を読んでから本文に目を通す」・「記述問題は後回しにして、まず取りやすい問題から進める」など、自分に合った解答の流れを探しながら準備していきます。理科・社会でも、・「グラフや資料は先にざっと見る」・「時間のかかりそうな計算問題は一旦飛ばして、後で戻る」など、限られた時間の中で正しく判断しながら進める力をつけていきます。実際、共通問題で上位に入る生徒たちは、「この問題には何分かける」とあらかじめ決め、落ち着いて手際よく問題を処理しています。保護者の皆様にとっても、「焦ってミスする」「最後までたどりつけない」という心配に対し、計画的に答案を仕上げる力がついていく様子を見守っていただける段階です。この段階では、単に「解けるようになる」だけでなく、「限られた時間の中で、できるだけ多くの得点を確実に取る」力を育てていきます。

「結果を伸ばす」

共通入試では、記述式の問題と選択肢の問題が一緒に出されます。それぞれに合った考え方と進め方が必要ですが、これをきちんと分けて身につけることが、この段階の目標になります。記述問題では、ただ思いついたことを書くのではなく、・「結論を先に書く」・「接続語を使って順序をはっきりさせる」・「主語と述語がきちんとつながるようにそろえる」といった基本を大切にしながら、答え方の型を身につけていきます。一方、選択肢問題では、すべてをじっくり読んで迷ってしまうと、時間が足りなくなります。この段階では、・「間違いを消していく消去法の使い方」・「設問文と選択肢をどう比べればいいか」・「よくある“ひっかけ”パターンの見抜き方」などを整理し、短い時間で正しく選べる力をつけていきます。保護者の皆様にとっても、「記述は苦手だから最初からあきらめる」「選択肢に迷って結局全部見直してしまう」というお子様の課題に対し、はっきりとした改善策が見える段階となります。この段階をきちんと積み上げることで、問題の形ごとに自然と頭を切り替えられるようになり、試験全体を落ち着いて乗り越える力が育っていきます。学力を本当に伸ばしていくためには、「なぜ間違えたのか」「次はどうすればいいか」を、自分の言葉で整理できる力が必要です。これが、最後の仕上げとなる力です。この段階では、模試や過去問、演習を使いながら、・「どこで間違えたか」・「どう直せばいいか」を自分で記録し、考え直す練習を積み重ねます。たとえば理科・社会では、・「言葉の選び間違いだったのか」・「資料を読み間違えたのか」英語では、・「文法を忘れていたのか」・「文章の意味を取り違えたのか」というふうに、間違いを細かく分けて考えます。そして、「どうして間違えたのか」「次はどうするか」を自分の言葉で説明しながら、学びを自分の力で進められるようにしていきます。また、同じタイプの問題にもう一度挑戦し、「直した」だけでなく「前より成長した」と実感できるところまで練習を重ねます。保護者の皆様にとっても、「いつも反省しているのに、なかなか改善されない」と感じることに対して、この段階の取り組みがきちんと効果を出す様子を安心してご覧いただけるようになります。ここまで来れば、点数に一喜一憂するだけの勉強ではなく、間違いから学んで自分を育てる学び方が確かに身についていきます。合格へ向けて、そしてその先の学びへ向けて、とても大切な仕上げの段階です。

 

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