自校作成校入試思考力

観点/教科 国語 数学 英語 理科 社会
入試の構造と特徴 長文+記述型が中心。抽象文・要約・意見記述など構成力を問う。 誘導型の構造問題。説明・記述必須で計算力と論証力が両立して問われる。 長文+自由英作・整序・要約など複合的。論理と構成を重視。 実験・観察文、グラフ・会話形式など複合情報を扱う。思考+処理力が必要。 資料・図表・記述設問が中心。因果説明や背景理解を前提とした設問構成。
求められる力 論理的構成力、設問意図の把握力、読解の抽象化。 条件整理・過程記述・論理展開力。多段階処理や試行錯誤の精度が求められる。 文構造理解、接続・順序の論理把握、簡潔かつ明確な表現力。 因果関係の説明、条件読解、作図や数値処理の正確さと理由づけの力。 資料から背景と因果を読み取る構造理解力。語句選択+理由の言語化が鍵。
答案戦略と対策 「理由→根拠→結論」型の記述テンプレ定着。要約・論点整理の型化。 下書き→計算→記述の段取り訓練。記述式練習と模範解答との構造比較。 自由英作と整序を構文別にテンプレート化。要約問題は段落単位で再構成練習。 作図+記述の一体処理演習。会話文型やグラフ読解を処理順でトレーニング。 資料・語句・説明の三位一体記述練習。因果のテンプレ構成と文末表現に注意を払う。

自校作成校入試思考力


🔷 国語  長文記述型入試における「構造力」の勝負

【入試構造】
国語では、自校作成校らしく、抽象的な評論文や随筆文を読み取り、それを構造的に要約・説明する記述問題が中心となります。
設問数は少なく、1問ごとの配点が高いため、1つの記述の出来が合否を大きく左右します。

【求められる力】
問われているのは、単なる内容理解ではなく、文章全体の論理展開(対比・因果・言い換え)を掴んで、自分の言葉で再構成する力
特に、設問意図をズラさずに読み取り、理由・根拠・結論の順で構成できるかが鍵となります。

【答案戦略】
対策としては、「記述テンプレートの定着→実戦演習→添削と改善」の繰り返しが効果的です。
例えば、「なぜ〜か→それは〜だから→つまり〜である」という型を用いて、設問の要求に正面から答える記述訓練を積みましょう。


🔷 数学  論理の筋道を「書く力」が点差を生む

【入試構造】
自校作成校の数学は、誘導形式でステップを追って解かせる問題が中心で、計算だけでなく、考えた過程を答案に明示的に書く力が必要です。

【求められる力】
重要なのは、条件を整理して方針を立て、段階的に論理を展開しながら答えに至る力。その際、計算の正確性だけでなく、式や言葉で表す構成力が強く問われます。

【答案戦略】
日頃から「途中式や理由を意識的に書く練習」を行い、「下書き→構成→清書」の流れを習慣化することが大切です。
模範解答との比較では、「答えの出し方」ではなく、「考え方の伝え方」を意識して見直すよう指導しましょう。


🔷 英語  読解・整序・作文をつなぐ「構成型」言語力

【入試構造】
英語は長文読解に加えて、整序英作文・自由英作・要約など、言語を構成する力を問う記述型の設問が多く出題されます。

【求められる力】
キーワードは、「英文の筋道」。意味のつながりが自然であり、主語・動詞の一致・接続語の適切さなど、構文の論理性が得点の決め手になります。

【答案戦略】
作文や整序問題は、使う文型をパターン化し、自分なりのテンプレートを持つことが有効です。
特に自由英作では、「主張→理由→具体例→まとめ」の構造を決めてから書く練習をし、表現より構成を優先しましょう。


🔷 理科  因果で説明する「思考+処理型」教科

【入試構造】
理科は知識再生型ではなく、会話文・観察・実験・図表など複数の情報を統合的に処理し、思考過程を記述させる出題が増えています。

【求められる力】
ここで問われるのは、実験条件や数値をもとに結果を予測し、なぜそうなるかを説明できる力。単位・数値・図解の正確さと、因果表現の明確さが両立して初めて得点になります。

【答案戦略】
「まず図を書く」「条件を○で囲む」「結果を1文で要約→理由を書く」といった処理の順序を型として練習することが効果的です。
特に、答えに至る理由を一文で言い切る力が得点に直結します。


🔷 社会  資料・語句・説明をつなげる複合記述

【入試構造】
社会は暗記中心の出題から転換し、資料・統計・図表などをもとに、背景や因果を記述する設問が主流です。

【求められる力】
知識を使って考える「思考型社会」で必要なのは、用語の精度+構造的な因果説明力。表現があいまいだったり、語尾や時制が間違うと、大きな減点になります。

【答案戦略】
記述練習では、「語句→理由→背景→結論」といった4段構成のテンプレートを活用し、文末処理(です/〜制度である/〜ため)に注意を払います。
特に「資料のどこを使ってどう考えたか」が答えに反映されているかを、自己点検できる練習サイクルを組みましょう。