層 | 主な内容 | よくある小学生のつまずき例 |
① 学習習慣確立 | 宿題のやり方や家庭学習の時間・姿勢を整え、学びを当たり前にする | やる気まかせ/気分次第でバラつきがあり、やりっぱなしになる |
② 思考整理訓練 | 筆算・読解・理社の整理の仕方を学び、「どう考えたか」を言えるようにする | 式や説明が書けず、頭の中だけで終わってしまうことが多い |
③ 知識応用練習 | 計算・漢字・地理歴史などの基礎知識を、実際の文章や資料で使えるよう練習 | 暗記はできても、応用になると答えが出せない/混乱する |
④ 記述・表現拡張 | 作文や説明文、グラフの読み取りなど、書いて伝える力を育てる | 文の組み立てが分からず、書けないまま終わる/内容がずれる |
⑤ 学びの自己管理 | 振り返りや目標づくりを通して、“やらされる勉強”から“自分で進める勉強”へ | ただ出された課題をこなすだけで、できた・できてないが曖昧 |
⑥ 習熟の可視化 | 解けた問題・つまずいた単元を見えるようにして、自信とやる気につなげる | 勉強したのに成果が分からず、「やってるのに…」と不安になる |
① 学習習慣確立 勉強を“毎日の習慣”に変える力
小学校高学年になると、学ぶ内容が一気にむずかしくなります。そこで大切になるのが、「やる気がある日だけ頑張る」ではなく、毎日の生活の中で“勉強するのが当たり前”という状態をつくることです。この層では、宿題の出された意味を考えたり、自分で家庭学習の時間を決めたりして、「自分の勉強」として取り組める習慣を育てます。たとえば、学校から帰ったあとにゲームの前に宿題をやる、寝る前に10分だけ漢字を見直す――こうした小さな行動の積み重ねが「やりっぱなしにならない学び方」になります。高学年では「やる・やらない」の感情で勉強を判断する子も多いですが、個別指導では先生と一緒に「勉強を習慣に変える工夫」を話し合いながら、無理のないルールを決めて実行します。これが身につくと、中学に入ってからの宿題や予習復習にも自然と対応できるようになります。大事なのは、「やる気があるときにだけ頑張る」ではなく、「毎日やることが決まっているから安心して取り組める」という状態をつくることです。
② 思考整理訓練 考えを“順番でまとめる”力
国語の文章題、算数の説明問題、理科や社会の記述……高学年になると、「ただ答えを書く」だけでなく、「考え方をきちんと伝える」ことが求められるようになります。この層では、「どうやって答えにたどり着いたか」を“順番に整理して書く力”を育てていきます。たとえば算数の筆算で、なぜこの式になるのか、どこから計算を始めるのか――そういった思考の流れを整理して言葉にする練習をします。国語でも、「この言葉の意味は?」「この文はなぜ大事なのか?」を順序立てて読み解く必要があります。多くの子が、答えは分かっているのに、それを言葉にできないまま「空欄」にしてしまうことがあります。それは、“頭の中の考え”がうまく整理されていないから。個別指導では、先生が「まずは何を考える?」「次に何がポイント?」と段階的に問いかけてくれるので、自然と“思考の順序”が見えるようになります。これが中学で必要な「記述力」「論理力」の土台になります。
③ 知識応用練習 覚えたことを“使える知識”にする力
小学校高学年になると、「知っている」だけでは点が取れなくなってきます。たとえば、漢字の読み書きができても、その言葉が説明文に出てきたときに意味がわからない。地理の用語を覚えていても、地図を見ながら説明できない。こういったことは、「知識が“使える形”になっていない」から起こるんです。この層では、計算・漢字・社会理科の語句など、覚えたことを“実際の問題で使う”力を育てていきます。個別指導では、ただの一問一答で終わらず、「この言葉は、文章の中でどう使われている?」「この地図から何が読み取れる?」といったように、知識を活用する演習をくり返します。こうした学び方によって、「わかる」と「できる」の間にあるギャップをなくしていきます。中学生になると、「知っているだけ」でなく「使いこなす」ことが前提になります。だから高学年のうちに、“覚えて終わり”ではなく“使える形”に変えておくことが、とても大切になるのです。
④ 記述・表現拡張 自分の考えを“文章で伝える”力
中学の国語や社会、理科、さらには英語でも、「書いて説明する力」はとても大切です。でも、小学校では「どう書けばいいか分からない」「書いてみたけど何が言いたいのか分からない」といった子がたくさんいます。この層では、自分の考えや説明を“相手に伝わる形”で書く力を育てていきます。たとえば、説明文の要点を整理して短くまとめる練習や、グラフを見て「何がわかるか」を文章で書くトレーニング、さらには「自分の考えを理由とセットで書く」作文練習など、多くの場面で“書く力”が問われます。個別指導では、先生が「まずはここから書こう」「理由はどうつなげる?」と一つ一つ丁寧に段階を追ってサポートするので、文の型や順序が自然と身についてきます。書く力が伸びると、ただ点が取れるだけでなく、「自分の考えに自信が持てる」ようになるのがポイントです。中学の記述問題にもつながる力を、小学生のうちから少しずつ育てていきます。
⑤ 学びの自己管理 自分で“勉強のやり方”を考える力
「とりあえず宿題だけやればいい」「言われたからやる」――そんなふうに、“やらされる勉強”が当たり前になっている子は多いです。でも、中学に入ると科目も増えて、提出物やテスト勉強の計画を自分で考えて動ける力がとても大切になります。この層では、小学生のうちから、目標を立てたり、自分の理解度をふり返って「次に何をすればいいか」を考えたりする練習をしていきます。たとえば、「今日の宿題で間違えたところはどこか?」「それはなぜか?」「明日はどこを復習するべきか?」といったふり返りを、先生と一緒にノートやワークシートに書いていくことで、少しずつ“考える学習習慣”が身についていきます。こうした力は、中学生になって「自分のテスト勉強が分からない」と悩まないための大きな土台になります。「言われたからやる」から「自分で考えて動く」へ。この層を通して、勉強が“自分のもの”になっていく感覚が育ちます。
⑥ 習熟の可視化 「できた!」を目に見える形にする力
「勉強したのにできたかどうか分からない」「がんばったけど、結果が見えなくて自信が持てない」――そんな思いをしたことはありませんか? 小学生にとって、「がんばった結果がどうなったか」が見えることは、やる気を支える一番大きな力になります。この層では、先生と一緒に「今週できるようになったこと」「まだ苦手なところ」「前回よりよくなった点」などを、ワークやチェックテスト、ノートのふり返りを通じて“見える化”します。たとえば、計算ミスが減った、漢字の意味が使えるようになった、グラフの読み取りがスムーズになった――それを先生と一緒に確認して「できるようになってるじゃん!」と感じられると、次の学習にも前向きに取り組めるようになります。成績や点数だけじゃなく、「自分が伸びている実感」を大事にすること。それが中学・高校・その先の学びに向けて、“がんばり続けられる力”につながっていきます。