「課題を見つける」
「この教科、なんだか苦手だな」「どこから分からなくなったのか分からない」——そんなふうに感じたことは、誰にでもあるはずです。この段階では、今の成績だけにとらわれず、過去の学びの流れを静かにふり返って、本当につまずいたところを見つけ出す力を育てていきます。たとえば、数学の文章題が苦手だと思っていても、原因はもっと前の「割合」や「分数の考え方」にあるかもしれません。個別指導では、先生がテストや演習、会話を通して、どの単元で学びが止まってしまったのかをいっしょに探していきます。これは、体調が悪いときに、ただ薬を飲むのではなく、「何が原因か」を見つけて、自分に合った治し方を考えるのと同じです。つまずきに気づくことができれば、そこから道を修正することができます。「どこからやり直せばいいか」が分かるだけで、心はぐっと軽くなります。静かにふり返る時間こそが、学びをもう一度、自分の手に取り戻すはじまりです。「授業のときはわかったと思ったのに、テストでは手が止まった」そんな経験、あなたにもきっとあると思います。この段階では、“わかった気がする”状態をそのままにせず、本当にわかっているかを、確かめる力を育てていきます。集団の授業だと、「なんとなく分かったふり」をしてしまったり、聞き返すタイミングを失ったまま先に進んでしまうことがあります。でも、個別指導ではちがいます。先生は、あなたの表情や答え方をじっと見ながら、「この説明で本当に伝わったかな?」と確認し、必要に応じて教え方を変えてくれます。うなずいていても、どこか目が止まっている。答えられても、どこか言葉があいまい。そうした小さなサインも大切に拾いながら、「本当に分かったかどうか」をていねいに見ていきます。そして大切なのは、「理解できてるかな?」と自分自身でふり返る目を持てるようになること。“分かった気がする”ではなく、“本当にわかっている”ところまで丁寧に近づく。それが、この段階のめざす学び方です。
「力を高める」
「また同じところでまちがえた…」「ケアレスミスだから気にしないでおこう」そんなふうに思って、まちがいをそのままにしていませんか?この段階では、まちがいを「たまたま」で終わらせず、自分の中にある“くせ”や“うっかりのパターン”を見つけて直していく力を育てていきます。たとえば、・数学でいつも符号(プラス・マイナス)を落としてしまう・英語で主語と動詞の数が合っていない・社会で設問に書いてある条件を読み落としてしまう ——こんなふうに、何度もくり返すまちがいには、必ず“自分だけの理由”があります。個別指導では、ただ答えを直すだけでなく、「どのタイミングでズレてしまったか」「どこを見落としていたのか」先生と一緒に流れをたどって、“どうすれば防げたか”まで具体的に考えていきます。そして、「次に同じ問題が出たら、ここに気をつけよう」「このミスをなくすために、こうやって確認しよう」——そんな“自分だけの対策”を見つけていきます。ミスを流してしまうと、勉強は“運まかせ”になります。でも、ミスから学べる人は、次の一歩を“確実な力”として積み上げていけるのです。この段階では、「まちがい」を“成長のヒント”に変える力を育てます。「この問題、むずかしすぎて、やる気がなくなった…」「かんたんすぎて、もう意味がない気がする…」そんな気持ちになったことはありませんか?この段階では、今の自分にぴったりの問題——“あと少しだけがんばれば解けそう”なレベルを選んで取り組むことで、無理なく力を伸ばす練習をしていきます。簡単すぎる問題ばかりでは、力はつきません。逆に、難しすぎる問題ばかりだと、自信をなくしてしまいます。だから、個別指導では、先生があなたの正解率や、どこで手が止まったかを見ながら、「これはもう大丈夫そう」「これは、もう一回やってしっかり身につけよう」と、問題をていねいに選び直していきます。がんばればできる——その感覚があるとき、人は一番やる気を出せます。そして、「できた!」という手ごたえが、また次の一歩を生み出してくれます。勉強で何に取り組むかは、ただの“作業”ではありません。どんな問題を選ぶかが、勉強の“質”を決めるのです。今の自分にちょうど合うものを、ていねいに、くり返し取り組む。その積み重ねが、自信となり、点数となって、あなたの力になっていきます。
「成果につなげる」
「塾では先生と一緒にできたのに、家では手が止まってしまった…」そんな経験をしたことはありませんか?それは、まだ“自分の力”として身についていなかったというサインです。この段階では、先生の助けがなくても、一人でしっかり解けるようになることを目標にします。個別指導では、ただ解き方を教えるだけでは終わりません。一緒に解いて → 自分で確認して → もう一度一人で解いてみる。この流れを、「これなら大丈夫」と思えるまでくり返していきます。そして、同じような形の別の問題にもチャレンジして、本当に理解できたかどうかを確かめていきます。ただ「覚える」だけでは、テストでは通用しません。「どう考えて、どう解いて、どう答えにたどりつくか」——その“考える力”を、少しずつ、自分の中に育てていくのです。「わかった」で止まらず、「一人でできた!」の手応えを重ねていくこと。それが、学びを“本物”に変えるカギになります。テストで思ったよりも点数が取れなかったとき、「どうして間違えたんだろう」と、くやしい気持ちになることはあると思います。でも、そこで気持ちを止めてしまうと、また同じところでつまずいてしまうことがあります。この段階では、自分の答案を見なおし、「どこで、どうして間違えたか」を、自分の言葉で見つけ出せるようになる力を育てていきます。たとえば──・「時間が足りなかったのは、問題の順番を考えなかったから」・「記述で点が取れなかったのは、設問の条件を見落としたから」こんなふうに、自分の失点の原因をしっかり言えるようになれば、次のテストでは同じミスをしないように、自分で工夫できるようになります。個別指導では、テストや演習のあと、先生といっしょに見直しをしながら、「このとき、どんな考え方をした?」「つぎはどうすればいいと思う?」とゆっくり、丁寧に、自分の勉強のしかたをそろえていきます。勉強は、ただ前に進むだけではなく、自分を見直すことで、もっと強くなれる。この力が身につくと、「まちがえた」ことさえ、あなたを成長させる味方になります。