私たちの塾は、「子どもたち一人ひとりの中にある可能性を、確かな学力として育て上げる」ことを理念の中心に据えています。学習とは単に知識を詰め込む作業ではありません。それは、子ども自身が思考し、判断し、自らの言葉で表現する力を育む過程です。そしてその力は、単なるテストの点数や合格実績にとどまらず、将来のあらゆる場面で生きる「土台」となります。私たちの役割は、そのような「生きた学力」を形づくるサポートをすることだと考えています。
たとえば、ある小学6年生の生徒は、受験勉強に取り組む中で、なかなか算数の応用問題に手が出せず、自信を失いかけていました。そこで私たちは、ただ問題の解法を教えるのではなく、「なぜこの考え方が使えるのか」「自分ならどう考えるか」という対話を通じて、思考のプロセスを丁寧に引き出していきました。授業後には、「先生と話すと、自分の考えが整理される」と本人が語るようになり、次第に自らノートに図やメモを書き込みながら、問題に取り組むようになりました。数か月後、難関私立中の過去問に取り組んだときには、以前は手が出なかった問題にも果敢に挑戦し、着実に得点を重ねるまでに成長しました。
また、中学3年生の別の生徒は、学校の成績は良好であったものの、自分の目標校には届かないという現実に悩んでいました。私たちは、志望校の出題傾向を分析した上で、その生徒に必要な思考力や記述力を重点的に鍛える個別指導を設計しました。単に知識を確認するだけではなく、「どうすれば自分の考えを論理的に伝えられるか」「相手に伝わる言葉とは何か」といった視点でのトレーニングを積み重ねました。その結果、模試の記述問題では安定して高得点を取れるようになり、最終的に第一志望校に合格することができました。合格発表の日、その生徒は「ここまで自分を導いてくれてありがとう」と、笑顔で伝えてくれました。
このようなエピソードは、私たちの教室の中に日々あふれています。学力向上の背景には、必ず「心の成長」があります。子どもたちは、壁にぶつかりながらも、乗り越えるたびに自信をつけ、前に進む力を身につけていきます。そして、その歩みを支えるのが、私たち講師の役目です。一人ひとりに寄り添い、「何がその子に必要か」を見極め、必要なタイミングで、必要な言葉をかけていくこと。それが、私たちの教育のあり方です。
保護者の皆さまにおかれましては、「どのようにわが子を伸ばしていくべきか」という問いを、日々抱えていらっしゃることと思います。だからこそ、私たちはお子さまの学習状況だけでなく、性格や興味関心、日々の変化にも目を配り、保護者の方と連携しながら伴走していく体制を大切にしています。ご家庭と塾が協力し合うことで、子どもたちは大きく成長します。
今後も私たちは、「一人ひとりの未来の可能性をひらく教育」を信念に、進学塾としての責任を果たしてまいります。受験という通過点のその先まで見据え、学びの意味を実感できる指導を提供し続けていく所存です。