未来設計と安心設計

あの日、授業のあとにぽつりと「先生、今日の授業、楽しかった」と言ってくれた生徒の笑顔を、私たちは今でも思い出します。
成績が上がったからではなく、何かが「わかった」「つながった」ことの喜びが、彼の表情ににじんでいました。

学ぶとは、本来そういうものなのだと思います。誰かに比べられるためでも、誰かに認められるためでもなく、自分の中に芽生えた「できた」「わかりたい」という小さな灯を、自分の力で育てていくこと。

私たちの塾が目指しているのは、そんな一人ひとりの内側にある可能性と、静かに、けれど確かにつながっていく場所です。合格という目標のその先で、子どもたちが自分で考え、自分で選び、自分の人生を歩んでいけるように。その準備を、ここで一緒にしていきたいと願っています。

子どもたちは、思っている以上に多くを感じ取り、学び、変わっていきます。私たち大人にできることは、「信じて待つ」ことと、「気づいて声をかける」こと。その間を行き来しながら、今日もまた、教室の灯をともし続けていきます。

「安心して学ぶ力を育てる」

「この教室に来ると落ち着く」「ここなら大丈夫」と感じられる場所は、どんな勉強よりも最初に大事なことです。たとえわからない問題があっても、“安心して間違えられる”空気があると、人は挑戦できるようになります。私たちは、あいさつや声かけ、教室の雰囲気を通して、「ここは間違えても受け入れてもらえる場所なんだ」と感じてもらうことを大切にしています。たとえば、「間違えてもいいから言ってごらん」「いいところに気づいたね」といった声かけや、清潔で静かな学習環境づくりなど、小さな積み重ねが“信頼できる学びの空間”を生み出しています。中学生になってからも、自分のペースで勉強を進めたり、質問できる場所があるというのはとても心強いことです。まずは、「教室が好き」「ここにいると前向きになれる」と思ってもらうこと。それがすべての学びの出発点になります。「こんな質問していいのかな?」「間違えたら恥ずかしい」——そんな気持ちが先に立つと、せっかくの学ぶチャンスを逃してしまいます。私たちは、「わからないことも、やってみたいことも、どんどん言っていいよ!」という空気を教室に広げていきます。たとえば、質問しやすくなるように「質問してOK」と大きく書かれた掲示を貼ったり、「まちがいノート」を使って、間違えた内容を記録し、それを先生が「いい振り返りだね」とほめてくれたりするなど、挑戦そのものを前向きに評価する場面がたくさんあります。また、「ちょっと発表してみようかな」と手を挙げたときには、「よく声出したね!」としっかりフィードバックすることで、自然と子どもたちの挑戦の回数が増えていきます。中学以降も、「自分から動ける力」はすべての学びのベースになります。だからこそ、今のうちに「挑戦は応援されるもの」だと実感しておくことが大切なのです。

「できた喜びを積み重ねる」

「満点じゃないとダメ」「全部覚えなきゃ意味がない」——そんなふうに思ってしまうと、勉強はどんどん苦しくなります。私たちは、大きなゴールの前にある“今日のちょっとした成長”を大切にし、それを見える形で伝えることを大切にしています。たとえば、小テストで前より5点伸びたらその場でほめる、前回できなかった問題が解けたら「お、前進したね!」と声をかける。さらに、「できるようになったこと」をまとめて掲示したり、「今週のがんばりメモ」などで本人に自覚してもらう取り組みも行っています。「やれば伸びる」「努力は見てもらえている」と感じることが、学ぶモチベーションになります。中学生になると、テストの点ばかり気にしてしまう子も多くなりますが、本当に力になるのは、「自分は伸びてる」という実感です。それを小学生のうちから積み上げていくことを大切にしています。学力というのは、ただ答えが合っているかどうかだけではありません。「なぜそう思ったか」「どうしてその答えにしたか」を自分の言葉で説明できることも、すごく大切な学びの力です。私たちは、「なぜ?」「どうして?」と問いかけられたときに、自分の頭の中の考えを言葉にする練習をします。たとえば、授業中に「どうしてそう思ったの?」「他に言い方できる?」と先生が問い返してくれたり、作文や記述問題を書いた後に、「理由や順番が伝わっているかな?」とふり返る時間をとったりします。また、自分の書いた作文をクラスで共有することで、表現の工夫や思考の深さに気づくこともあります。こうした言語化の習慣は、国語だけでなく、数学の説明問題や理科の考察など、中学のあらゆる教科で役立つ力になります。「わかっているけど、うまく言えない」状態から、「考えを伝えられる」自分へと成長していく段階です。

「自ら選び、進む力を伸ばす」

「やりなさい」と言われてやる勉強は長く続きません。私たちは、「自分で決めたことに向かって努力する」経験を増やし、自信と自己肯定感を育てることを目指しています。たとえば、「今週どんな目標で取り組む?」「この問題集、どこから進めたい?」と先生から問いかけられ、自分で選ぶことができます。また、授業中の取り組み時間を「先に苦手な問題をやる」「まず基本を固める」など、自分で配分して決める機会もあります。こうした小さな選択の積み重ねが、「自分の勉強は自分で考えて動く」という習慣をつくっていきます。中学生になると、授業・部活・家庭学習のバランスをとる場面が増え、「どうやって自分の勉強をコントロールするか」が問われます。小学生のうちから“選ぶ力”を育てることが、「やらされる勉強」から「やりたい勉強」への転換点になります。

 

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