小学5・6年 中学へつなぐ

「学びの力を身につける」

中学生になってから「思うように点が取れない」と感じる子の多くは、実は、小学校のうちに身につけておくべき基本の力に、少しずつゆらぎを残したまま進んでしまっていることがよくあります。この段階では、計算・漢字・語句など、教科ごとの基本を、ただ「覚える」のではなく、正しく・すばやく・意味と一緒に使えるようにすることを目指していきます。たとえば──+(プラス)や−(マイナス)のつけ忘れ、漢字を思い出せても、正しい形で書けない、言葉の意味がぼんやりしていて、文章の大事なところを見落としてしまう……そうした小さなずれが、中学生になると、「記述問題が書けない」「文章題が読めない」といったかたちで、大きく表れてくるのです。だからこそ、指導では、「どこでまちがえたか」「なぜうまくいかなかったのか」までふり返り、“ただ繰り返す”のではなく、“自分の型としてる”学び方を大切にしています。「同じような問題なら、自分ひとりでもできる」そんな自信を、小さな問題の積み重ねの中から、少しずつ育てていくのです。このようにして磨いた「正しく、確実に使える基本の力」は、やがて文章を読みとく力や、説明を書く力など、中学以降の大きな学びにつながっていきます。学びの土台は、急がず、ていねいに。その積み上げこそが、未来を支える本当の力になるのです。「出された宿題だけは終わらせる」「ノートには書いたけれど、あとから見直さない」そんなふうに、勉強が“やらされるもの”になっていると、中学生になってから、自分で学びを進めることがだんだん難しくなっていきます。この段階では、「何を、どう進めるか」を、自分で考えて、動いていける学び方へと切りかえていきます。たとえば──・その日の授業で「何が大事だったのか」を自分の言葉で書いておく・間違えた問題を、自分でまとめて「もう一度見直す場所」として整理する・先生から言われなくても「次にどこを見直せばよいか」を少しずつ考える──そんな日々の小さな習慣を積み重ねていくことで、「言われたからやる」から、「自分から進める」へと、学びの姿勢が変わっていきます。指導では、先生と一緒に、「今日のまとめを書いてみようか」「来週までに、ここを覚えておこうか」と話し合いながら、学びの計画を自分の手で立てていく力を育てていきます。この力が育てば、中学・高校、そして社会に出てからも、「課題に気づき、自分から動く」ことができるようになります。学びを自分で運ぶ人は、どこまでも成長していける。その土台を、小学校の段階から準備していきます。

「考えをまとめ、伝える力を育てる」

中学生になると、算数や国語で、「なぜそう考えたのか」を説明する力が大切になります。けれども、小学校高学年では、「なんとなくわかった」「答えは合っているから大丈夫」と思って、考えた流れを言葉にできないまま終わってしまうことも少なくありません。この段階では、「どうやってその答えにたどり着いたのか」を、自分の言葉や表にして、順番に整理する練習を重ねていきます。たとえば──・算数では、「何が分かっていて、何を求めるのか」を表にまとめて考える・国語では、「誰が・何を・どうして」といった流れを、短い言葉で整理する──こうした積み重ねによって、「正解を出す」ことだけでなく、「考えた道すじを自分で見えるようにする」力が育っていきます。指導では、先生が一緒に考えを整理してくれながら、「ここで何を思ったのか、言葉にしてみよう」「この順番で考えると、わかりやすいね」と、導いてくれます。この「考える力」は、これから先の数学・理科・国語など、すべての教科を支える大きな土台になります。自分の考えを、順序立てて伝えられるようになること──それが、学びを深く、自分のものにする力となるのです。中学生になると、「どうしてそう思ったの?」「理由を言葉で説明しなさい」といった記述式の問題が本格的に増えていきます。でも実際には、「考えはあるけれど、どう書けばいいか分からない」「頭の中では分かっているのに、うまく文にならない」──そんな戸惑いを感じる子もたくさんいます。この段階では、「どう書き始めるか」から「どうつなげて、どう終えるか」まで、文章の組み立て方を、一つずつていねいに練習していきます。たとえば──・「〇〇だから、△△だと思う」といった考えの型を学ぶ・「まずは理由を書く」「次に具体例を入れる」といった段落の流れをとらえる・「しかし」「たとえば」「そのため」などのつなぎ言葉(接続語)を上手に使っていく──さらに、「なぜそう考えたのか」「どんなことをもとに考えたのか」など、自分の思考の流れをきちんと整理してから書く力も、少しずつ育てていきます。こうした練習を積み重ねていくと、「うまく書けない…」という気持ちが、少しずつ「これなら書けるかも」に変わっていきます。話せても、書けない。──その壁をこえ、「書いて伝える力」を自分のものにすること。それが、中学・高校・そしてその先にまでつながる大切な表現の土台となっていきます。

「次へのステップを築く」

中学校に入ると、英語や数学では、これまで聞いたことのない言葉や考え方がたくさん出てきます。たとえば──英語の「I am」「You are」などのbe動詞、数学の「比例」や「一次方程式」といった考え方です。こうした内容は、小学校ではあまり扱わないため、いきなり出てくると、「なんだか難しそう…」と、最初の授業で心が止まってしまう子もいます。この段階では、中学校の学びに、少しだけ先にふれておくことを大切にします。完璧に理解する必要はありません。「なんとなく見たことがある」「この言葉、聞いたことがあるかも」──そう思えるだけで、4月からの授業がずっと身近に感じられるようになります。たとえば──・英語なら、「I am a boy.」を音で聞いて、言ってみる・数学なら、「1つの箱に3個ずつ入っているとき、全部で何個になるか」を式にする練習をして──みるこうした「やってみたことがある」経験は、中学のスタートを不安でなく、楽しみに変える力を持っています。最初の授業で「できるかもしれない」と思えること。その小さな安心が、中学3年間を前向きに歩く力へとつながっていきます。どれだけ勉強をがんばっても、「自分は少しずつできるようになっている」と感じられなければ、心は前に進みにくくなります。この段階では、日々の取り組みの中から「できるようになったこと」をていねいに見つけ、それを自分の言葉で確かめられるようにしていきます。たとえば──・前より計算が早くなった・ノートが読みやすくなった・記述の中に、自分の考えや理由が書けるようになった──そんな小さな変化を、先生と一緒に振り返ります。「この前はここでつまずいたけど、今日は自分の力でできたね」そんな言葉がけが、心にあたたかな自信の火を灯してくれます。点数だけでは測れない「できるようになった実感」は、これからもっと勉強してみようと思える力になります。とくに高学年になると、「自分はやれば伸びる」という実感をもてるかどうかが、中学以降の学びに大きく影響します。小さな「できた」を、少しずつ積み重ねる。その手応えが、これからの未来を支える確かな土台になっていきます。

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