学びの歩幅に合わせて

子どもたちの学びは、思っている以上に「進度」や「目標」だけでは語りきれません。たとえ同じ学年でも、学びに向かう姿勢やスピード、苦手の種類も違えば、自信のつき方や不安の出方もまったく異なります。それでも塾という場では、「この子はこのコース」「この子はこのレベル」と、どうしても線引きをしながら指導が進んでいきがちです。もちろんそれが必要な場面もありますが、私たちは、そうした線の外側にこぼれてしまいそうな子どもたちの「今」にも、丁寧に目を向けていたいと考えています。
たとえば、難関校を本気で目指すにはまだ早いけれど、定期テスト対策だけでは物足りなさを感じている中学生。授業中はまじめに取り組んでいても、理解が深まるまでに時間がかかる小学生。部活や高校生活と勉強をどう両立するか悩んでいる高校生。そして、何より「自分がどこに向かっているのかわからない」と立ち止まっている子たち。そうした子どもたちの中には、「どのクラスにもぴったりとははまらない」という声にならない違和感を抱えていることがあります。
だからこそ、私たちは「コースで受け持つ」のではなく、「今のこの子に近づく」指導を大切にしています。目標や学力に合わせるのではなく、その子の歩幅に合わせる。たとえそれが少しゆっくりであっても、今はまだ言葉にならない迷いの中にいても、「ここから始めてみよう」と言える空気をつくること。それが、教えるより先にある、塾としての大切な役目だと信じています。
そのために私たちは、クラス授業と個別指導の両方を持っています。小学生にも無理なく取り組める時間帯や内容を、焦らず整えることができますし、これまで通ってくれていた卒業生が高校生になっても「ここで続けたい」と思えるような安心感も育ててきました。それは、指導内容の豊富さや学力層の広さを誇るためではなく、「どの時期にも関わり続けられること」こそが、私たちの強みだと思うからです。
塾には「今の成績」や「志望校のレベル」で語られる世界がたくさんあります。けれど私たちは、それ以上に、「その子がどんな気持ちで、どんな時間を過ごしているか」にこそ、目を向けていたいのです。一人ひとりの成長に向き合うとは、教えることだけではありません。その子が学びに向かおうとする時、すぐそばに“自分のペースを許してくれる人”がいること。それが、学びの継続を支えるもっとも確かな力になるのだと、私たちは信じています。

 

教室代表

学びの歩幅に合わせて
考える力を静かに育てる
通塾が、自信の手がかりになるように

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