「点数のための英語」から、「伸びるための英語」へ

「点数のための英語」から、「伸びるための英語」へ
──定期テストから入試・思考力へつながる多層指導の実際──

教科書からの指導 lesson1 現在完了

【先生と生徒の対話文】(経験→継続→自己成長)

先生:この文、意味わかる? “I have seen lots of wonderful pictures on your blog.”

生徒:はい。「あなたのブログで、たくさんの素敵な写真を見たことがあります」ですね。

先生:そう。「have seen」は「見たことがある」っていう“経験”を表してるね。じゃあ、これはどう?
“I have studied English for three years.”

生徒:あ、それは「3年間英語を勉強してきた」ですね。“ずっとやってきた”って意味ですよね?

先生:そう、これは“継続”の使い方。過去から今までずっと続いていることを表してる。
じゃあ君は、英語をどのくらいやってきた?

生徒:私は中1からなので…今年で3年目です。

先生:まさに “I have studied English for three years.” が使えるね。
3年間続けてきて、前と比べて何か変わったことはある?

生徒:うーん…英文を読むのが前よりスムーズになってきた気がします。

先生:いいね。それって、まわりの人と比べてじゃなくて、**“前の自分との変化”**だよね。

生徒:はい。最近はそれが一番大事かなって思ってます。

先生:じゃあ、それを英語で言ってみようか。たとえば…

生徒I think it’s important not to compare myself with others, but to see how I have changed.

先生:Perfect. それが、自分の思いを英語で“伝える力”なんだよ。

 

【気づきのある対話文(増補版)】

先生:この “I have studied English for three years.” って、ただの過去のことじゃないよね。君はこの3年で、何が一番変わったと思う?

生徒:うーん… 前より単語が分かるようになったし、英文も読めるようになった気がします。

先生:それ、すごく大事だよ。前の自分と比べて「できるようになったこと」がわかるって、なかなかできないからね。じゃあ、まわりの友だちと比べてどう?気になる?

生徒:前は気になってました。「あの子のほうが発音がいいな」とか。でも、最近は自分の中で「昨日よりちょっとわかった」とか、そっちのほうが大事かもって思ってます。

先生:その感覚、とても大切。人と比べると“上か下か”でしか見えなくなるけど、自分と比べると“変化”が見える。

生徒:ああ、たしかに…“変化”って、自分しか見えないんですね。

先生:そう。だからこそ、それを英語で言ってみたらどうなるかな?
たとえば「人と比べるんじゃなくて、自分がどう変わったかを見ることが大事だ」って。

生徒:うーん……
I think it’s important not to compare myself with others, but to see how I have changed.

先生:完璧!それこそが、英語を“使う”ってことなんだよ。
文法を覚えるだけじゃなくて、自分の考えを言葉にできるようになるって、本当にすごいことなんだ。

生徒:なんか…英語を話すのが、ちょっと“自分を話すこと”みたいに思えてきました。

先生:その感覚、絶対に忘れないで。英語はテストのためだけじゃない。**言葉は「思いを届ける道具」**なんだよ。

 

【教室からのコメント】

私たちは、まず「結果が出る」ことを大切にしています。
けれど、テストの点数だけで終わらない学びを、日々の中に少しずつ織り込んでいます。
「なんとなくできた」を「自分でわかってできた」へ。
「たまたま当たった」を「自分で選べた」へ。
そんな変化が積み重なることで、目に見える成績と、目に見えない力が、静かに一緒に育っていきます。

 

【生徒のコメント】
前は、「英語ができる・できない」をまわりと比べていました。
でも最近は、「前よりわかるようになった」と自分の変化を見ることが多くなってきました。
英語で “I think it’s important not to compare myself with others, but to see how I have changed.” と言えたとき、「あ、これが“伝える英語”なんだ」と思いました。

 

【保護者様のコメント】
点数だけでは見えない「思考の変化」が、子どもの中に確かに育っています。
英語をただ覚えるのではなく、「自分の変化を言葉にできるようになること」。
それは入試だけでなく、これから社会を生きていく上で“自分で自分を育てられる力”です。
この教室は、そうした「内なる変化」を見つけて、ことばにして育てる場です。