勉強をしていると、「わからないところは先生に聞けばいい」「解き方を教えてもらえればなんとかなる」といった発想になりがちです。けれど、私たちが大切にしたいのは、「わからないことを自分の言葉で説明してみる」力です。それは、正解にたどり着くための近道ではなく、学びを深めるための静かな扉になります。
個別指導という場の最大の価値は、「話せる時間がある」ということにあります。ただ質問を受けるのではなく、「どこでつまずいたのか」「どう考えたのか」「何が不安なのか」といった、心の中の動きを、少しずつことばにしていく時間。それは、まだかたちになりきらない思考を、子ども自身が見つめ直す大切な作業なのです。
たとえば、「問題文を読んだけど、何をすればいいかわからなかった」「途中までわかったけど、最後が不安だった」といった声が出てくるようになると、それだけで大きな前進です。自分の思考の止まり方を自分で語れるようになると、その時点で次の動きが見えてきます。私たちは、子どもがそうした声を出せるようになるまで、急がず、詰め込まず、問いを重ねていきます。“わかる”だけではなく、“どこから進めるかを考えられる”学びを支えていくことが、個別指導のもうひとつの軸です。
また、誰かに教わるだけではなく、「自分で言ってみる」ことで、知識や考えが整理されていくという感覚は、子どもにとっても新しい体験です。うまく言えなかったことが、少しずつ言葉になっていくと、学びそのものが手に取るように実感できるようになります。そのとき、子どもの目つきは変わります。「できないから教えてもらう」のではなく、「伝えてみたら、自分で見つけられた」。そんな経験の積み重ねが、自然と自信へとつながっていくのです。
保護者の方にとっても、「何をどうわかっているのかが見えにくい」「とりあえず解いているように見えるけれど、本当に理解できているのか不安」という場面は多いはずです。私たちは、子ども自身のことばで学びを組み立てていけるようになることで、ご家庭と塾とのあいだに“学びの見える手応え”を届けたいと考えています。これは、教え方や成績だけでは伝わらない、子どもの中にある変化の確かなしるしです。
学びとは、何かを覚えたり、正解を出したりすることだけではありません。自分で考え、自分のことばで確認し、自分で次の一歩を決めていくこと。その積み重ねが、「もう少しやってみよう」という気持ちを引き出していきます。私たちは、子どもの中に生まれる「問い」を、焦らず、大切に扱う指導を心がけています。教えすぎず、急がせず、自分で語れるようになるまで、そばにいる。そんな個別の時間こそが、学びを動かし始める小さな力になると、私たちは信じています。
個別指導に関心のある方へ(小学5,6年生、中学生、高校生)
思考のスイッチ
読み解く力の育て方
問いから始まる学び
大学受験個別指導
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